http://home.att.ne.jp/sigma/satoh/diary.html - 02/09/10 14:19:38 - 07/01/08 02:12:59
なお、当方のところに相談に来られた方々は、そろってホームゲートウェイを想定したシナリオを描かれているようです。もちろんホームゲートウェイがよくないというつもりはないのですが、あくまでも一つの方法であり、他にもいろいろあるはず。例えばホームゲートウェイを介さずに携帯電話ネットワークを通してデバイスが直接外部と接続することも想定されるはず(例えばテレビ上でYouTubeを見る場合、ゲートウェイはないに等しい)。なのに、どうしてホームゲートウェイありき、という発想になってしまうのでしょうかね。ゲートウェイを前提の方法は2000年前後の携帯電話におけるゲートウェイ方式のサービスモデルであったWAP (Wireless Application Protocol)の壮大な失敗で通信業界は懲りているはずですが、ホームゲートウェイ好きの方はゲートウェイ絡みは死屍累々という過去を知らないみたいですが。
それとホームゲートウェイがお好きな方はOSGiを魔法の技術のように語られるのですが、OSGiは所詮はJavaベースのソフトウェア更新単位にすぎないわけで、OSGiを使うといままでできなかったことが突然できるようになるわけではありません。先日はOSGiって初耳という顔をしてお話を伺っておいたのですが、思いっきりOSGiをふくらませた話をお聞かせいただきました。いろいろツッコミをいれたかったのですが、ガマンです。
2010年2月3日
一日オフィスだったとはいえ、空き時間もなく会議から会議。ロングランで会議にずっと出ている感じ。時間が欲しいです。最近は来客が多く、10時からではおさまらずに9時からや、夜19時や20時以降にお願いすることも多くなりました。というわけでご迷惑をおかけしております。ただ、もう本当に時間がないのです。
さて某自動車会社ネタが続いていますが、トラブル絡みの発表が続く会社もめずらしい。報道によりますと、昨日のリコール記者会見に引き続き、今日のトラブルは看板ハイブリッドカーのブレーキがきかなくなるというもの。ただ、これはちょっと不思議。というのはハイブリッドカーは回生ブレーキになっているはずで、通所の機械ブレーキだけでなく、モーターそのものをブレーキ(回生ブレーキまたは発電ブレーキ)として使っているはず。なにが問題なのでしょうかね。ところでその自動車会社の副社長による「(ブレーキ制御の)コンピューターを変えた。クレームがあれば販売店でも変えていると思う。変更は2時間もあればできる」だそうですが、自動車もPCや家電製品感覚になっているのですね。自動車は最後は制動系に頼るしかなく、その制動系のトラブルとなると事態は深刻だと思うのですが、どうなのでしょうか。
追記です。今日の日経朝刊に、ご丁寧に回生ブレーキの解説付きで記事がでていました。やはり通常ブレーキと回生ブレーキの協調に問題があったそうですね。どんな協調に問題があったのかなど詳細はわかりませんが、ブレーキペダルを踏んだとき、通常ブレーキと回生ブレーキの比重のかけ方(とタイミング)はバッテリ持ちに関わってきます。回生ブレーキは発電ブレーキと呼ばれることもあるなど、モータを発電機にして、その電力をバッテリに戻しています。なので通常ブレーキの割合を上げると燃費がわるくなるのです。今回のコンピュータ交換で燃費に影響がでている可能性はありますね。
ただ何しろ情報がないので、ここからは御謹製プロセッサにコンテンツ保護機能があったと仮定したときのこと。想定されるのはCellプロセッサのようなコンテンツ保護の特殊実行モード(Isolated Mode)の導入ではないでしょうか。具体的には特別なデータ保護領域をつくり、その領域にアクセスできるのは認証されたプログラムだけにするというもの。このコンテンツ保護機能を入れると、ソフトウェアによるコンテンツ保護と比べると、格段に保護を破られる可能性は低くなります。これはコンテンツで儲けたいけど、コンテンツ保護が破られて、コンテンツが不正に広まってしまうコンテンツプロバイダーに安心感につながり、iPadならばコンテンツを提供してもいいというコンテンツプロバイダーはたくさん出てきそうです。当たり前ですが、コンテンツプレーヤーならばコンテンツを揃えられることが市場を制する第一歩ですからね。
それにしてもAppleはプロセッサ、OS、アプリ、そしてネットワーク側のコンテンツ販売サービスまで全部自社製。往年のIBMもびっくりというほどの垂直統合モデルなのですが、コンテンツ保護という点では有利に働く可能性があります。特にコンテンツ販売サービスはその特許で他社に対してアドバンテージがありますし、建設中と噂されるクラウドインフラを使って、多様なコンテンツ販売や期間レンタルを仕掛けてくるでしょう。クラウドコンピューティングとハードウェアレベルのコンテンツ保護が組み合わさると、これまでの(ネットに限らず)コンテンツビジネスを一変させる可能性もあるでしょう。
ところで自社プロセッサ向けのソフトウェア開発の心配をされる方が多いようですが、Appleにとって純粋にコンテンツプレーヤーという位置づけなのではないでしょうか。どうしても必要ならばWebベースのアプリケーションで十分。だからAppleは自社製コンテンツビューアーや再生ソフトウェア、Webブラウザが動けばいいと割り切っているのではないでしょうか。サードパーティのローカルアプリケーションがないといけないと思っている人って、失礼ながらパソコンの発想から抜け出せていないようにみえます。
それと規模の問題。仮想化によってサーバ数は減らせるとはいえ、仮想化というレイヤーが入ることでシステムは複雑になります。その複雑性による管理コストの増加とサーバ数集約によるコストの削減を比べると、集約対象のサーバ数が相当多くないと、コスト削減効果は少ないことになります。もちろん仮想化そのものはサーバ台数は関係ないのですが、コスト削減効果を出すには台数は必要。日本で一番規模が大きい事例は三井物産の情報システムだと思います。1000台のサーバを仮想化で集約したそうですが、実はこれぐらいのスケールはほしいかもしれません。ちなみに関係者によると同社の案件は仮想化であって、プライベートクラウドではないそうですがね。
三井物産の事例はプライベートクラウドの難しさを物語っているかもしれません。その案件は三井物産の直系情報子会社が受けましたが、三井物産は大きなSI子会社があるので、前者の方に経緯を伺ったことがあるのですが、(大きなSI子会社に問題があったわけではなく)直系情報子会社はこれまで三井物産の情報システム全体を手がけていて、精通しているからこそできたそうです。その通りだとすると仮想化やプライベートクラウドは、ユーザ企業側の業務や情報システムに精通していることが条件になるかもしれません。この辺はプライベートクラウドの構築では一番重要なところだと思います。メディアの方は取材をしてみたらいかがでしょうか。なお、なんどもいいますが、大きいSI子会社に問題があったわけではないですよ。ここで言いたいのはユーザ企業の情報部門か運命共同体ともいえる直系情報子会社でないと、プライベートクラウドの構築は難しいということの例に挙げただけです。念のために。
ところでプライベートクラウドで過度な期待をされている方が多いのですが、コスト削減以外にはない。というのはプライベートクラウドの基盤技術である仮想化では、個別の物理サーバで動いていたOS、ミドルウェア、アプリケーションを仮想マシン上で動かすだけですから、OS、ミドルウェア、アプリケーションもかわりません。それは一見すばらしいのですが、逆に言えばプライベートクラウドにより、いままでの情報システムでは実現できなかったようなアプリケーションが実現できるようになるわけではない。個人的にプライベートクラウドに魅力を感じないのはこの部分だったりします。やはり新しい情報システムならばコスト削減だけでなく、新しいアプリケーションを動かして、新しいビジネスチャンスを生み出すべきですから。
他にもいろいろあるのですが、プライベートクラウドの問題はいくらでもあるので、今日はここまで。最後に一言だけいうと、プライベートクラウドはそのネーミングからして失敗していると思います。プライベートクラウドは仮想化と呼べば高く売れたのに、クラウドと名乗ってしまったので、低価格なパブリッククラウドと価格面で争うことになりました。これがプライベートクラウドの最大の失敗だと思います。