http://www.isenp.co.jp/taikan/taikans.htm - May 23, 2012 5:35:37 PM - Dec 4, 2004 1:09:18 PM
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▼アマゾンの森林が毎分二十九ヘクタールの勢いでなくなっている。「原因の半分が日本」とアマゾニア森林保護植林協会の長坂優会長が伊勢新聞政経懇話会で
▼森林破壊の原因は世界の木材需要だが、その半分は日本が消費している。森は海の母だと県内でも植樹活動が盛んな一方で、地球の空気の三分の一を作る「地球の肺」アマゾンの森林破壊の片棒を日本人が担いでいる
▼速水林業の速水亨代表が、日本の厳しい林業経営の原因に再生を考えない外材の流通をあげていた。外材の生産地すべてがアマゾンではなし。日本人の地球環境破壊の程度はどれほどだろうか
▼エベレスト登頂の女性最高齢者、渡辺玉枝さんが帰りは「ゴミを拾いながら下山した」。富士山がかつて「世界で最も汚い山」といわれ、エベレストから大量の日本製ゴミを回収した野口健さんは「日本人が道端にタバコの吸いがらやガムを平然と捨てていくのは、お国柄。国民性」
▼「皆目に見える物を大事にするが、本当に大事なのは目に見えないもの」と長坂会長。雪の下がゴミの山の富士山を秀麗と仰ぎ見る構図だが、野口さんが東京都庁で回収ゴミを展示したら、見学者は「エベレストにゴミがあるなんて」
▼昭和五十年に女性初のエベレスト登頂に成功した田部井淳子さんは「女だけのチームの後は汚いと言われないようにすべてのゴミを降ろした」。富士山もエベレストも今は意識に目覚めた日本人で清掃が進む。ちょっと考えれば見える物でも見えない、不都合な物には気付こうとしない人のよいお国柄、お気楽な国民性でもあるのかもしれない。
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▼優勝パレードの旗持ち役を買って出た横綱白鵬が言ったそうだ。「日本とモンゴルとの外交関係樹立四十周年の節目の年の優勝は、モンゴル力士で相撲歴二十年の旭天鵬がふさわしい」
▼自分や日馬富士、鶴竜ではなく、ということだろう。ご同慶の至りだが、優勝はモンゴル勢、を前提にしたような口ぶりにはやはり地団駄を踏む思いは、十一日目まで星二つ差で独走し、日本人力士の六年ぶり優勝の期待を膨らませながら、残り四日で追いつかれて優勝決定戦にも残れなかった稀勢の里に向かってしまう
▼稀勢の里は強さともろさをあわせ持つ。千秋楽の把瑠都戦は力を尽くした負けだったが、十二、十三日目の栃煌山、白鵬戦の連敗はがちがちで足が動かず、立ち合い負けしていた。どちらかで本来を取り戻していれば後の展開は変わったのだろうが、その意味で、初優勝や横綱・大関昇進力士が見せる運もほほえまれた神がかりの強さはなかった
▼旭天鵬が一変したのは通算成績が歴代十位の貴乃花と並んだ七日目からだ。目に見えて力強さを増し、琴欧州を上手投げで振り回した十四日目は頂点に達した。二千本安打など、おやじパワーさく裂のプロ野球だが、最年長力士の平幕十一年ぶり優勝の大相撲もそうで、長年の地道な鍛錬の積み重ねの大切さを物語る
▼横綱土俵入りの太刀持ちをまねし、左手に棒を持つ報道陣に「横綱に太刀を向けることになる。右で持たなきゃ」。外国人に相撲の精神が分かるかという意識は抜けぬが、敗れて稀勢の里は「くそ、くそ」、栃煌山は「勝ちたかった」。真の相撲道はモンゴル勢に移りつつあるのかもしれない。
2012年5月21日(月)
▼民主党県連幹事会が青年局設立を発表した。芝博一代表ら、写真で見るずらり並んだ国会議員の緊張感にあふれる表情。次期衆院選への危機感の表れと見たのは勘ぐり過ぎか ▼一方の自民党県連役員会。3区候補者について、川崎二郎会長は「まったくめどが立っていない」。政権党時代に取材した老記者としてはまず煙幕を疑るところだが、やや気が乗らぬげな会見写真の印象とも相まって、打つ手なしに見えなくもない ▼知事選は民主の候補者選びのもたつきもあって辛勝したが、民主逆風の一昨年参院選も、小泉ブームに沸いた平成十一年参院選も、自民党は公認候補を落選させている。次期総選挙の県の風向きが全国と同じかどうか ▼自民党の候補者については、公募という画期的手法で擁立された小野崎耕平氏が平成十九年参院選で、党重鎮に巨額の選挙資金の有無を問われたり、敗北後多方面から請求書が殺到し、その返済に長年苦しんだと雑誌に書いていた。選挙はこりごりとしていた同氏を一昨年、再び擁立しなければならないその場しのぎぶりに苦笑させられた ▼多忙の中で土日、こまめに地元集会をこなす岡田克也副総理に、意図を聞いた人がいる。「選挙への備え」の回答に
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▼ギリシャは三人が集まれば三つの政党ができると言われる。議論好きは誇り高き古代ギリシャの今に続く数少ない伝統の一つか。三人寄れば文殊の知恵の日本とは同じ多神教でも違うものだが、それを象徴するかのような再選挙突入
▼日本なら、再選挙での勝利を確信して連立協議に乗ろうとしない第二党などは党利党略の批判を浴びかねないが、そこがギリシャ。また、国民の現状の厳しさということでもあるのだろう
▼欧州連合(EU)は壮大な実験と言われ、単一通貨ユーロの導入は、成功より失敗が懸念された。通貨は統一だが、政治や経済施策はその国まかせ。強国が果実をむさぼる構造もそのまま。ギリシャの危機はEUの中にもともと内包されていた
▼軍政崩壊後福祉国家にまい進。年金制度の充実とともに企業を国有化し、失業対策として労働者を採用した。こういう形の「公務員天国」は情実、腐敗がはびこるのは日本にも事例に事欠かない
▼とっくに行き詰まっていいギリシャをユーロ圏加入が延命。国債の信用力をドイツ並みに高め、借金財政を継続させた。一転して緊縮財政を押し付けるのは、EUと加盟国の中二階構造を物語る。自国民ならそうはいくまい
▼アテネ五輪会場も、今や廃墟のよう。「発祥の地」のうたい文句に酔い、野口みずき選手のゴールに興奮し、五輪に投じた巨額がギリシャをどんなに追い詰めるか当時は思いもしなかった
▼EUも世界も、五輪だけ楽しんだようなものに違いない。年金制度、財政赤字の危うさは何もお前だけのことではない。何とかしてくれよ、と今も。
[戻る] 2012年5月19日(土) [ホーム]
▼三重労働局がまとめた昨年度の障害者の職業紹介状況は、前年度比17・1%増の九百六十件で過去最高。就職率47・1%は三年連続増で、就職件数とともに全国二十二位
▼いままで全国最下位などと聞かされてきた耳には新鮮で慶賀の極みだが、全国最下位というのは実雇用率で、そちらは昨年六月一日現在で1・51%。前年の最下位は脱出したが全国四十六位。一つ上がっただけというから、夢見を醒(さま)された心地がした
▼実雇用率トップは山口県で2・24%。同県に本社を置く衣料品チェーン「ユニクロ」が法定雇用率1・8%を大きく上回る8・06%を長年維持、向上させていることが大きい
▼県の場合は、三重労働局が実雇用率改善プロジェクトチームを設置したのが昨年。産業別就職先で最も伸びたのは「医療・福祉」関係の二百四十八件という中で、県病院事業庁は公的機関の法定雇用率二・一%を未達成。県教育委員会も同じで適正実施の勧告を受け、県全体でも前年を下回るありさま。当面実雇用率を中庸県にあげる展望はない
▼気になるのは賃金水準。授産所はもちろん、企業でも最低賃金制度を守っているところは少ないといわれる。障害者年金などと組み合わせると臨時社員より高額になるケースがあるためという「公平」論がまかり通り、同一労働同一賃金の憲法の理念に抵触し、障害者の自立を妨げている
▼本人だけでなく家族も障害者や高齢者、母子家庭など、複合弱者の実態についても、公的調査はない。県の障害者対策は、障害の表記を「障がい」にした程度、というのではお粗末に過ぎる。
2012年5月18日(金)
▼東京電力の社外取締役を兼務することについて、数土文夫NHK経営委員長は枝野幸男経済産業相らが「問題ない」としたことを正当性の根拠にした。問われているのは権力と一線を画す報道機関の代表としての在り方。聞く相手に何の問題も感じていないようなのだから、周りはとやかく気をもむはずである ▼「鉄は国家なり」のJFEホールディングス社長経験者としては「国の一大事だと思い、ぜひに、と頼まれたので引き受けた」というのはまさに男の美学。東電社長を断ったという財界人に聞かせてやりたいが、政府が国の審議会などのご意見番的な組織に報道機関の代表者や幹部、記者を加えたがるのは必ずしもその見識に期待してのことばかりではない。批判封じの効果が取り沙汰されたことは一度や二度ではない ▼数土委員長は「経営委員会は放送内容に立ち入らない」というが、事実ではない。富士フイルムホールディングス社長の古森重隆氏が委員長だった時、国際放送について「国益を主張すべき」と発言して物議をかもした。経営五カ年計画を承認せずに再提案を求めたし、会長人事をはじめ新たな執行部体制を主導した ▼後任の小丸成洋氏も、受信料値下げを執行部に迫ったし、会長人事を巡っては前代未聞の混乱をもたらした。経営への影響力の強さは言うまでもない ▼その経営陣と政治との関係が問われた例のNHK番組改編問題で、報道の現場があげて朝日新聞とのバトルに乗り出したことは周知の通り。政府としては心強いことに違いない。
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▼立候補の所信表明で自らを「調整型人間」と位置づけた副議長候補が満票で当選した。「内向き」の現代社会の象徴か。「人と人との絆を大切に議会発展」に努めるそうだ。「人」とは議員か。「絆」の用いられ方もいろいろだが、議会改革などとても、とても。熱が冷めた議会文化を敏感にかぎ分けたのかもしれない
▼抱負に掲げた「広聴広報機能の強化」は議会改革の意欲と言えなくはない。昨年一月の県議会議会改革諮問会議最終答申によると、議会改革のアンケート調査で、県政に関心のあるE―モニターの県民を対象にした結果は「評価」が51・5%。県議対象では78・1%。県議の「自己満足」が指摘され、「広聴広報」の充実が求められたからだ
▼具体的には出前議会、報告会、議会モニター制度、広報紙などだが、県民理解への決め手には欠ける。改革自体が道半ばで広聴広報機能だけ強化しても、「自己満足」の上塗りとならぬでもない
▼はっきり「対応の遅れ」とされたのが「県民を起点にした自治体制度」。「参加型民主主義と代表制民主主義の関係性をめぐる問題」への突っ込み不足で「討議と参加による市民自治の実現への期待」に応えるよう改善を促す
▼県議会基本条例は「県民の議会への参画の確保」をうたっているが、「(参画)機会の確保」であり努力目標。結果の処理も責任もあいまい。「機会を確保」した以上、その提言は例え我が身を削ってでも実現へ責任を持つ、という覚悟も決意も見えない
▼懸案の議員報酬と政務調査費について新副議長は「県民目線で処理したい」。ともかくもあなたまかせの県議会―読み人知らず。
[戻る] 2012年5月16日(水) [ホーム]
▼「社内取扱規則などを含むコンプライアンスの指導・教育を再徹底」とJR西日本は昨年十二月、大津駅職員の身体障害者割引乗車券不正使用が再発防止を誓った。そのJR西日本で、今度は架空の定期券を発行、払い戻す手口で八千六百万円を着服して暴力団関係者に流していた疑いが発覚した。法令順守(コンプライアンス)はむしろ悪化しているようだ
▼明石駅駅員と契約社員計八人で六百五十九件、架空定期の換金を繰り返していた。どこにも不心得者がいるという大津駅の事件と違い、ちょっとした組織犯罪だ。個人がこっそり重ねる犯罪と、仲間で結託して働く不正は、悪質さと罪悪感をまひさせることにおいて天地の開きがある
▼JR西日本には駅員ら六十九人が互いに立場を利用してIC内蔵の乗車カードの電子記録を不正に消去するなどして不正乗車していた事件が平成十六年にあった。モラルの低さは社内にこびりついた本質なのかもしれない
▼四十二人が死亡した三年の信楽高原鉄道事故では、衝突したJR西日本側の責任も問われたが、立証が難しく、不起訴となった。百七人が死亡したJR福知山線脱線事故では、業務上過失致死傷罪で起訴された当時の安全担当役員の前社長は「危険性を認識していなかった」として無罪。その上司らは「報告を受けていなかった」として検察は不起訴にした
▼昨年二月には新幹線車掌が山陽新幹線を約一年九カ月不正乗車し、三月は奈良線城陽駅勤務の子会社社員が端末を悪用してキセル乗車。責任感や倫理観をいくら説いても重んじられないのかもしれない。
2012年5月15日(火)
▼五年前のこの全日本選抜柔道体重別選手権大会女子48キロ侃覃_級で、福見友子選手は女王谷亮子選手を破りながら実績を問題にされ、世界選手権代表に選ばれなかった。翌年の体重別は山岸絵美選手だったが、北京五輪はやはり実績で谷選手だった ▼ロンドン五輪代表選考でリードしていたのは世界選手権二連覇中の浅見八瑠奈選手。福見選手はその後のグランドスラム東京も含め、決勝の直接対決で敗れている。今回体重別を制し、かつてはね返された
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▼京都府亀岡市で無免許の少年が小学生らの列に突っ込み、三人を死亡させ、七人に重軽傷を負わせた事故で、京都地検が危険運転致死傷罪の適用を断念した理由が、いまさらながらばかばかしい
▼アルコールや薬物の影響▽制御困難な高速度▽運転技能がない―などが適用の条件で、制御困難な高速度とは制限速度の五十キロ以上。少年からアルコールは検出されず、速度も十キロオーバー程度。無免許運転の検挙歴があり当日も前夜から運転していて、運転技術がないとは言えないというのだ
▼刑法は「進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ、人を死傷させた者」と規定している。「技能」の中に交通法規熟知は含まないということだろう。だから、免許取り消しや停止者も対象外。大事故を起こしやすい人が、適用除外の安全圏にいることになる。同規定そのものが免許制度を否定し、公序良俗違反になるのではないか
▼同規定は「悪質な違反事故が窃盗罪より軽い刑はおかしい」という遺族の運動で、故意の危険運転に伴う重大な結果を対象に成立。このため、軽微な場合は「情状により刑を免除」の規定も盛り込まれたが、本来の「重大な結果」が、運用条件のために適用できないばかりか、アルコールを薄める時間稼ぎなどでひき逃げ事故を増やしているなどは、現代のパラドックスとしかいいようがない
▼居眠りをしながらゆっくり少年の列に突っ込んだら自動車運転過失致死傷罪、飲酒や猛スピードで突っ込んだら危険運転致死傷罪―結果の重大さが埋没してしまう運用は、早く改めなければならない。